人につきまとう行動のことをストーキング(stalking)といいますが、そのつきまとい行為をしている人のことをストーカー(stalker)と呼びます。
私が10代の頃は日本でこのような呼称はまだ馴染みがありませんでしたが、今では当たり前の様に使われている言葉なので皆さんご存知かと思います。
時代と共に悪質なつきまとい行為の事件が増え、社会的に取り上げられるようになり、メディアを通じてストーカーという言葉で広がっていきました。
さらに、ストーカー行為等の規制等に関する法律。通称ストーカー規制法が、2000年11月24日に施行されたということからも、当時のその問題の深刻度が分かります。
これはあるストーカー殺人事件をきっかけに議員立法されたものですが、それまでははっきりとした法律がなかった為、執拗につきまとわれてもそれだけでは取り締まることが難しく、当時は怖い思いをした方が沢山いたのではないかと思います。
昭和の頃であれば、相手に対する情熱があるから追いかけている、というそんなに悪くない印象もありましたし、実際にそれで気持ちが伝わり恋が実ることもありましたが、現在では悪質で暗いという悪い印象の方が強い気がします。
戦争を知らない世代になるにつれて豊かになり、良くも悪くも徐々に人間性やその内容が変化していったのではないでしょうか。
一生懸命になる視線の先がおかしなものになってしまっているのです。
当ルームではこれまでにストーカー当事者のカウンセリングも行ってきました。
こちらは医療機関ではありませんので、もし内容が重度であると判断出来れば特定の医療機関をお勧め致しますが、日常生活に影響が出ていない程度であればカウンセリングを通して改善は可能です。
そこまで沢山のケースではありませんが、今のところ全てのケースで抑圧することが出来ました。
あくまでも私の経験から感じたことなのですが、まず本人がストーカーであるという認識がない場合も多く、何故ストーカー扱いされているのか分からない、といったケースが目立ちました。
なので相手から怖いと感じられていることにも本人は納得出来ていません。
例え特別何かをするつもりがなかったとしても、受け手は相当な恐怖を感じるものです。
ですからそこをハッキリと自覚して頂く為の内容と同時に、どの程度の条件反射がそうさせているのかをまずきちんと確認する必要があります。
これは本人にはよく分からないことであり、第三者と一つずつ丁寧に確認作業をする必要があります。
どういう理由からその反復行動をとってしまっているのか、分析していくと何がそうさせているのか必ず見えてくるものがあり、最終的にはその条件反射の思考を別な思考に変容させていくことを目指します。
条件反射を抑える為の条件反射を身に着け、そしてそれが継続すれば気にもならなくなります。
まずそれが当ルームで可能かどうかという判断も1~2回のカウンセリングで分かりますので、取り返しのつかないことになる前に一度ご相談頂くことをお勧め致します。
とはいえ、警察に呼び出されたその足で当ルームに来られたり、何か事件に関わることになってからようやく相談に来る方が殆んどです。
やはり自分でこのままではいけないと強く思えなければ、自発的に相談にいくことは難しいかも知れません。
ですが、自身の将来をしっかりと考えて存在に誇りを持ち、何かが傷つく前に軌道修正していきましょう。
こちらでは全く堅苦しくなく、気持ちを楽に進めていくことが出来ます。
犯罪者と被害者を未然に出さない、ということが一番の理想ではないでしょうか。