私は小学生時代にサッカーをしていました。
元々は親から強制的に通わされたので、特別な思い入れというか情熱は持ち合わせていませんでしたが、それでも運動神経はどちらかというと良い方だったので惰性でもそこそこ出来ました。
更にはどうせしているならば負けたく無いということで努力もしたのですが、そのうちにある時一つの壁にぶつかりました。
シュートやロングパス等のボールを強く蹴る、という動作の際に足首が開いているという指摘を受けたのです。
自分でも意識して確認してみると、確かに足首が少し外に開き気味で甲の部分でジャストミート出来ておらず、これでは力が逃げてしまい強いボールが上手く蹴れません。
力を抜いて蹴ると大丈夫なんですが、思いきり振り抜こうとすればするほどに足の甲が横を向いてしまいます。
動きには割と自信がありドリブルも得意でしたが、サッカーをしていてキック力やそのコントロールは一番大事なので、一人で試行錯誤して治そうとしました。
しかしその癖はどうにも治らずにストレスになってきたので途中からは諦め、その癖のままどうやってプレイするかという考え方に変わりました。
といっても元々がそこまでの気持ちを持ち合わせていなかったこともあり、その悩みのせいで後半はどうでも良くなっていった結果、最後まで内容が中途半端なままだった気がします。
その後中学に上がると友達の影響でバスケットボール部に所属しました。
すると今度は、私よりも全然運動が出来ない人間と比べても私は垂直飛びが少し低いという事が分かってきました。
ということはジャンプ力や瞬発力に関わってきます。
かけっこもそれなりに遅くはありませんし全体的に運動神経は悪くなかったので、何故ジャンプ力が低いのか自分でも良く分かりませんでしたし、当時はそれはただ単に何かしらの筋力が足り無いのかな、位にしか思いません。
負けず嫌いなのでかなり良い線まではいくのですが、今一つ何かが足りずに諦めていました。
そして最後までそれが原因の一つとなり、個人的に不完全燃焼の中途半端な自分のままで終わりました。
その後も色んなスポーツは好きでしていましたが、どうも膝のバネというか、力を出し切れていない違和感はずっとあったと思います。
しかし生半可に運動神経がそこそこ良かったので、何か問題があるという事は自分自身全く考えもしませんし、やはり単純に筋力が足りないんだという風に思っていました。
ところが、その後成人になり20代半ばになって私はある一人の友人と出会いました。
その彼は以前大きな事故に遭い片足を複雑骨折したことがあって、そのせいで長いリハビリ生活も経験しており、そこに関する知識も豊富でした。
彼は骨の形が良くないままくっついているらしく、たまに調子の悪い時には何もしていないのに痛くなったり、脚を動かすと腰の辺りからコリコリと大きな音がするのを聞かされたこともあります。
その彼との会話の中でたまたま自分の脚力の違和感の話をしてみたところ、私を真っ直ぐ仰向けに寝かせてその状態のまま膝の下に手を差し込み
「あ、これはダメだ」
と言いました。
一見分かりにくいのですが、膝から下、脛の骨が外に捻じれておりO脚の一種であることがそこで初めて分かったのです。
ほぼそれが原因だという事が分かり、私はかなりのショックを受けました。
たったそれだけのことを何故今まで誰も指摘出来なかったのか?
小学生時代のサッカーも、力を込めれば込める程に足の先を真っ直ぐに蹴れなかったことに対して説明が付きます。
親、サッカーやバスケのコーチ、体育の先生等、他にも沢山いますが骨の形の良し悪しで本来の力が全然発揮出来ない、ということの知識やアドバイスの出来る人間が誰一人としていなかったことになります。
これが専門にしている教育者達なのです。情けなく思いました。
恐らく、プロの養成所の様な本格的な所以外では、中々そういったアドバイスはないのではないでしょうか。
その後、私は意識して人の骨格を見る様になったのですが、形の悪い人は総じて運動が得意ではありませんでした。
そもそもO脚のプロスポーツ選手はいないのではないかと思います。
その逆で、特にスポーツの経験がないのに割とそつなく運動のこなせる人は骨格が綺麗で、よって筋肉の付き方も綺麗です。
ですから、素質があるのに骨格で損をしている人はこの世に沢山いるのではないかと思いますので、特に子供にスポーツを教える立場の方はまず最初に骨格を見て親にアドバイスして頂きたいです。
若ければ若いほどに矯正出来ますし、その後の人生まで変わる子がいると思います。
そしてO脚には先天的なものと後天的なものがあり、聞くと親の中には早くから気付いて子供が小学校に上がる前にちゃんと矯正させている方達もいて、とても感心しました。
そこまで気を付けて親に見て貰えている子がいたらとても嬉しく羨ましく思いますし、きっと私の様にならずに真っ直ぐに育つことでしょう。
全国の子を持つ親の方々は、どれだけ自分の子供のことを見て(理解して)いるでしょうか?
筋肉ではなく骨を見る、ということは表面だけで捉えないということなので、心理カウンセリングに通じるものがあるのかな、と思いました。
最後に余談ですが、子供のスポーツへの取り組み方と大人なってからの仕事への取り組み方は同じというか大体そのままなので、その時点ですでに人格形成が出来ているということかも知れませんね。