五輪の書

五輪の書

江戸時代初期の剣術家、かの有名な宮本武蔵は、

『気が常に心の真中に無い状態を病気と云う』

と、自身が書いた五輪の書の中で記しています。

何か一つの物事に気を囚われていれば、一瞬の判断ミスで命取りになるという侍の時代に生きたならではの言葉ですね。

私は昔空手をやっていたこともあり、こういった精神論には元々非常に興味があるのですが、この言葉は現代人にこそ当てはめて考えるべきではないでしょうか?

家庭・仕事・友人・恋愛・金銭と、生きていれば様々な問題が出てきます。

そんな時に気を心の真ん中にというのはなかなか難しいものですが、かといって座禅を組み始めている場合でもありません。

何かの問題に直面し心に不安定なものを感じた時には、自分自身を理論的に分析したり整理することによってそれはかなり軽減されるのですが、不安感や動揺が強く上回っていると全てに余裕がなくなる為、それさえも難しくなってしまいます。

その場合に病気という捉え方・表現にもなるのではないでしょうか。

なのでその場合には先に1割でも2割でも気を心の真ん中に近づける作業が必要になります。

カウンセラーは如何にご相談者と向き合い、その状態に出来るかという部分で真価が問われるかも知れません。

では、なぜ人は気を心の真ん中にキープすることが難しいのかという部分に関しては、言い換えると気(精神)を上手くコントロール出来ていないということになり、それは最初に書いた様に何か一つの物事に気を囚われているから、ということになります。

ですから、焦って問題を解決したり無くすことを強く思うよりも、まずは自己分析が可能な状態に精神を持っていく、ということが先決になり、それが出来なければどんなに意味のある言葉を聞いても素晴らしい書籍を読んでも、いつまでも同じことを言い続けることになるのです。

それだけ重要な部分ですが、その方法としては例えば精神論よりも身体論の方が向いている、といった様な個人のタイプもありますので、それぞれに合った方法があると思います。

そういった部分を含めて当カウンセリングでも対応が可能です。

気付かない方、または気付こうとしない方、そのどちらでもない方。10歳で分かっていないことが40歳で分かっているかというとそうとは限りません。

いくつになっても自分に気付いていないままの方は沢山いらっしゃいます。

当ルームにも学生の方からサラリーマンの方、他にも多種多様な方々がお越しになりますが、若い方とご年配の方の気付きの内容が同じだったりすることは普通にあります。

年末年始は何かと物騒な事件が多いと前にも書きましたが、自身で気をコントロールして、宮本武蔵が云うところの“病気”ではない状態でもう一度世の中を見てみれば、何かが違って見えるかも知れませんね。

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