究極の心理カウンセリング

富士山の頂上から見える日の出

私の親戚が経営コンサルタントをしていた関係で興味があり、そこから関連本を読む様になったのですが、その中の一例で実際にあったケースの話です。

ある経営コンサルタントの元に、一人の中小企業の社長さんが訪ねてきました。

その社長の会社は一時期は好調だったものの、段々と業績が落ち込んできており赤字が続く厳しい状況でした。

そんな中このコンサルタントの噂を聞いて、どうしたら良いか分からずに悩んでいた社長は憔悴した状態で訪ねてきたわけです。

コンサルタントはその会社の状態や、社長自身の事を一通り聞き終えると、今後3つの約束を守るようにと社長に伝えました。

1.会社の誰よりも早く出社する事。

2.出社したらトイレ掃除をする事。

3.出勤して来る社員に対して、自分から先に挨拶をする事。

この3つの約束を、社長は騙されたつもりで徹底的に実践しました。

物理的にトイレ掃除を外部に頼む必要がなくなり、自ら経費削減の実践にも繋がっているのですが、このたった3つの約束を社長が守り続けたことによって、会社に想像以上の効果をもたらしました。

社員一人一人の心構えも変わり、会社全体が変わったのです。

それにより、業績の面でも短期間で黒字に好転したのですが、その後も社長はこの3つの約束を守り続けているということでした。

経営コンサルタントでこんなアドバイスもするのかと思い、なるほどと感心したのですが、これはそのまんま心理カウンセリングであり、こういうことも出来なければいけないと私は思いました。

まず、シンプルにしてとても深い意味を持つこの3つの約束ですが、例え自分の家族や知り合いの経営者にそういうアドバイスをされても、何となく理屈は分かってもまず実践することはないでしょう。

聞く耳を持たないとはそういうことです。

なんとかしなければという強い気持ちから、自分から足を運び第三者に積極的に話を聞いているんですね。

そうすると内容も頭に入るし、ものの本質や重要さを改めて考えるわけです。

その結果、分かっていたつもりでも忘れていたこと等、気付きに繋がります。

そして、自分ひとりの基本的で当たり前の意識を変えることによって、会社でも家族でも全体の流れが変わっていきます。
その為のお手伝いをさせて頂くのが、心理カウンセラーだと私は思っています。

ですから、老若男女や一定の精神疾患等関係なく、万人が利用出来るものだと考えるのです。

聞く耳を持たない人でさえ、入口から興味を持って、思わず受けてみたくなる様なカウンセリングが理想ですね。

私はカウンセラーとして活動するにあたって、“究極の心理カウンセリング”とは何なのか、ということを毎日考えて最終的にそこを目指しているのですが、一周回ってそもそも心理カウンセリングって何なんだろうかと哲学的に考える時もあります。

臨床心理士やスクールカウンセラー・産業カウンセラーと呼ばれる方々がいらっしゃいます。

そして私の元にもご相談にお越しになる方がいらっしゃるのですが、その中には会社員や学生の方も勿論来て頂くことがあります。

その時に話を聞いてみると、今は大体の会社や学校には専属のカウンセラーが常駐というか、相談出来る様になっているんですね。

それなのに、私のところにカウンセリングにお越しになる方がいるということは、本音と建て前というか、例えばどうしようもない衝動や癖などはコンプライアンス的にも色々あったりとか、話が大きくならない様に最低限ギリギリまで内々でというのが組織なので、そこで個人に対するカウンセリングの矛盾が生じるのではないかと思います。

私は例えば臨床心理士といった様な、そこにいくまでの課程を経験していません。

ですがその代わりに、私がカウンセラーとして活動するまでには、薬物中毒の方と接したり、マンションの6階から飛び降りようとしている人を説得したり、私の目の前で何か所も手首を切る方に付き添ったり、行き交う自動車に自ら飛び込んだ方もいました。あげればキリが無いほどです。
いつからか知り合いが私のところに、話を聞いて欲しい人がいるから会ってみてくれ、と色んな方を連れてくる様になったのがきっかけです。

これは全て教科書では学べない現実であり、この様な経験から私が出来るアプローチがきっとあるはずです。

日本は宗教を始め、物や食文化など外国から持ち込んだものを独自に改良して、メイド・イン・ジャパンにするのが得意な国です。

本格的に国が動いていないというのもあるかと思いますが、日本ではカウンセリングに関しても、長期に渡って欧米の様なスタイルとして確立や浸透していない以上、もう新しいメイド・イン・ジャパンのカウンセリングがあっても良いのかなと今は思っています。

まだ見えない“究極の心理カウンセリング”を目指して、精進あるのみですね。

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